26 Jun シンガポールJS (2016)


3月12日から3月18日にかけて、大学生5名を対象にシンガポールでのジョブシャドウイングプログラムを実施いたしました。
昨今、日本国内でもインターンの普及等、仕事について知り・体感する機会が増えてきたものの、海外で働くことを知る機会は、海外インターン等、必要な費用や期間、語学力の面でハードルが高く、海外で働くことに興味を持つ学生が気軽に参加できるものではありませんでした。
JUKEでは、仕事・働き方の認識機会としてジョブシャドウイングを国内で実施しています。このノウハウを生かし、海外で働くことに興味を持つ学生が、これまでよりも手軽にその働き方や働く人の想いを知るための機会をつくりたい、という想いで実施したのが今回のシンガポールでのジョブシャドウイングです。

◆◇事前勉強会◆◇
事前勉強会は、ジョブシャドウイング(以下、JS)で訪問する企業についての理解を深め、当日に明らかにしたい「問い」を持ってもらうことを目的としています。

(1)ワークショップ
訪問企業ごとに、現在シンガポールで働くカタライザー(*)のサポートのもと、バリューチェーン、ビジネスモデルキャンパスといったフレームワークを用いて、企業のサービス・商品はどのように生み出されて最終消費者まで届くのか? 訪問先企業はどの役割を担っており、具体的にはどういった仕事をしているのか?といった複数の切り口で、シンガポールの企業を理解するためのワークを行いました。
また、各企業の同行させていただく社員の方々にフォーカスし、それぞれの方の働き方ややりがいなどについて仮説を立てるというワークも行いました。ワークショップでは、学生とカタライザーが一緒に参加し、活発な議論が交わされました。
参加者からは、「実際に企業を訪問する前に、その企業について理解をすることができてよかった。」「事前勉強会で訪問する企業のイメージをつかめたおかげで、より深い学びが得られそう。」「カタライザーの方のサポートのおかげで自分には無い視点から企業を捉えることができ、質問を考えることができた。」といった声が聞かれました。
*カタライザー:事前勉強会・事後報告会において、参加者の学びをサポートする社会人ボランティア

(2)質問リスト作成
企業訪問の際に密着する社会人に質問したいことを、各々書き出していきました。カタライザーの方々にも参加していただき、参加者の学生が考える仮説に対して様々な問いを投げかけていただくことで、訪問先で聞きたいことをより明確にしていきました。

◆◇企業訪問1社目(東亜電気工業株式会社)◆◇
1社目は参加者全員でグローバルなエレクトロニクス商社である東亜電気工業様にて3日間のジョブシャドウイングを行いました。




東亜電気工業でのジョブシャドウイングは、1日目にシンガポールの同社オフィス、2日目にインドネシアのバタム島にある同社の生産委託先工場、3日目にマレーシアにある同社生産委託先工場にて行われました。 1日目は会社の説明、焼結メーカーへの訪問、工場見学、社員への同行、夕食会が行われました。
同行では、個々で異なる部署に別れ、各々が社員の方が実際に行っている業務 を肌で感じることができました。特に営業職の社員の方へのシャドウでは、同社がどのように商品の 取引をしているのか、その方法について教えていただきました。見るもの聞くこと全てが新鮮なことばかりで、知れば知るほど興味が湧いてくる内容ばかりでした。

夕食会では、社員の方(日本の方、現地の方)と生活面や仕事面など、様々なことについて話し合うことができ、とても有意義な食事会となりました。
続いて2日目、3日目は隣国のインドネシアのバタム島、マレーシアに同社の自社工場や生産委託先の工場を見学しました。
ここでの気づきは、隣国とはいえども生活やビジネスの環境がシンガポールとは全く異なるということです。物価が日本やシンガポールに比べて非常に安いうえ、道路などのインフラについてもいたるところの整備が行き届いていませんでした。 だからこそ、大きな敷地面積を必要とする工場等を置くことで、少しでも製造コストの削減を行っています。

◆◇企業訪問2社目(Heartlink Communications Pte Ltd)◆◇
3月16日には参加者一人一人がそれぞれ別の企業に訪問し、JSをさせていただきました。その中の1つ、ハートリンクコミュニケーションズでのケースを紹介します。同社はシンガポールへの留学支援を行っている企業です。

まず、社長の高村様から企業の概要やご自身の経歴についてお話をしていただきました。その後、社員の一人の方に丸一日シャドウイングさせていただきました。お仕事の内容は、留学の申し込み受付以降の対応や提携先の新規開拓です。具体的には顧客とのメールでのやり取りや、新たに提携を考えている学校への訪問を拝見させていただきました。なかなか見ることのできない社会人の働いている姿を見ることができたうえ、仕事に対する思いや経歴、シンガポールでの生活など様々なことを聞くことができ、とても充実した時間を過ごすことができました。
特に、今回シャドウイングさせていただいた方は日本とシンガポールのどちらでも働いた経験があり、日本とシンガポールの人の性格や仕事の仕方の違いについて教えて下さり非常に興味深いお話しでした。例えば、日本では本音と建て前を使い分けますが、シンガポールなどの海外では、言いたいことを言い合い、それを後に引きずらないといった特徴があるそうです。

◆◇現地学生・社会人との交流会◆◇
交流会では、食事をとりながら会話を楽しみました。今回の交流会はシンガポールらしく、様々な国の出身者からなる多国籍な構成となりました。会話は当然、英語です。初めは緊張しておりあまり会話が弾まずどうなることかと思いましたが、料理の注文などから、徐々に会話が生まれほっとしました。食事中には、自己紹介をはじめ、現地のおすすめスポットや会社、大学での生活のことなど多くの話題が上がりました。特に印象的だったことは、大学生が卒業後のビジョンを持ち、自分のキャリアについて真剣に考えているということです。自分たちもしっかりと、将来について考えなくてはならないと感じました。

◆◇事後報告会◆◇
事後報告会は、参加学生がJSを通じて学んだことを他者へ共有し、自分が学んだことや他社から共有された内容を「自分自身の価値観(やりたいことや興味)」や「今後の目標」に落とし込むことを目的としています。

(1)発表
各参加者に、ジョブシャドウイングを通じて得た学びや発見を発表してもらいました。シンガポールならではの働き方や訪問先企業の社員さんの仕事のやりがいなど、非常に多くのことが共有されました。更に、その学びに対して、参加者同士の質問も活発に行われ、参加者の学びをより深いものとすることができました。
参加者からは、「人によって同じ体験をしてもそれを見る視点や感じ方が全く異なっていることに気づくとともに、そのような貴重な意見を聞けて良かった。」「2社目の企業訪問で、自分が行くことができなかった企業の話や、そこに行った人が何を感じたかを聞くことができてよかった。」などというような声が聞かれました。

(2)個人ワーク
最後に、学生それぞれの価値観を深堀するワークショップが行われました。
「グローバルなフィールドで働く・生活するときにいいな・嫌だなと感じるポイントは何ですか?」
「前問を踏まえて、自分はどんなことを大切にしていると思いますか?」
「ネクストアクションは何ですか?」
「あなたにとって海外で働くとは何ですか?」
といった質問に対して、これまでのジョブシャドウイングを通じて感じたことをもとに記入してもらいました。その後、各参加者に発表して頂きました。

同じものを見て、同じ体験をしていても、それぞれの参加者が感じたことや大切にしているものなどは異なっていましたが、自分とは違った視点からの意見を聞くことで、新たな発見も生まれました。更に、カタライザーの方々にも参加者の学びを聞いていただき、それに対して、海外で働く経験を基に感想や補足、アドバイスをいただき、より深い学びを得ることができました。
参加者からは、「海外で働くという事を非常に遠いものだと考えていたが、今回のジョブシャドウイングを通じて近いものだと感じることができた。」、「海外で働きたいという気持ちが高まったが、同時に海外で働くため、そして社会人としてやっていくために自分に足りていないものや必要なものが見えたので、これからそういった力をつけていきたい。」といった声が聞かれました。
参加者は海外との距離をそれほど感じなくなるとともに、自分に不足しているものや必要なものが見え、今後もまた成長していこうという決意を胸に今回のシンガポールでのジョブシャドウイングプログラムは幕を閉じました。


最後になりますが、ご参加いただいた学生の皆様、受け入れ先やサポーターとしてご協力いただいた皆様、この度は誠にありがとうございました。この場を借りて心より御礼申し上げます。

文責:
梶原那王(日本大学2年)
出井奨(慶應大学2年)

EVENT INFO:

イベント名>>
第1回 シンガポールジョブシャドウイング 事前勉強会・事後報告会
開催日時・場所>>
2017年3月12日(日)/ 3月18日(土)13:00~17:00
Heartlink Communications Pte Ltd
参加人数>>
大学生 5名
カタライザー 1名、社会人スタッフ 2名、学生スタッフ 3名

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