高校生ジョブシャドウイング 2018 in 横浜

■ プログラムの概要と背景
昨年度に引き続き本年度も、2018年7月~8月の期間で高校生ジョブシャドウイングin横浜を開催しました。2012年から数えて7回目の開催となる本年度も多くの高校生にご参加いただき、聖光学院中学校高等学校の高校1年生、洗足学園中学校高等学校の高校1~2年生からの希望の生徒、合わせて参加者110名、参画企業24社での実施となりました。

本プログラムでは、仕事を選び、満足のいく職業人生活を送る上でかかせない「自らの価値観、職業観にしたがってキャリア選択をすることの大切さ」について、事前勉強会やシャドウィング(企業訪問)、事後報告会を通じて実感して頂き、自分はどのように働きたいのか、何のために働きたいのか、といった自身の価値観(勤労観)について思いを馳せて頂くことを目的として実施しました。

私たち社会人も同様ですが、キャリア選択においては「良い企業」「良い大学」など、世間一般の指標に影響され、主体的な価値観と向き合うことを疎かにしてしまうことが多いことが現状です。しかしながら一方で、一流企業と言われる職場を選択しても決して安心できない、栄枯盛衰の激しい経済環境が私たちを待ち受けています。

そのようななか、2020年度からの教育改革などにより、早くから主体性を育む必要性が広く認識され、様々な取り組みが各所で始まっています。100名を超す参加人数もさることながら、参加動機として「将来の職業選択に活かす為」という項目を選んだ方が最も多かったことからも確かな意識の高まりを実感しました。

■ プログラムの内容と効果

今回のプログラムは昨年に引き続き、事前勉強会、訪問当日、事後報告会という構成で実施ました。事前勉強会では、自身の価値観を自覚することの大切さを実感していただいた上で訪問時の質問事項をまとめること。訪問では、実際に社会人のはたらく姿とその価値観に触れ、自分なりの質問をぶつけること。事後報告会では、振り返りと体験共有を通じて自らの価値観について考察すること、をそれぞれのプログラムの目的としています。

■ 事前勉強会 2018年7月7日 (土)

事前勉強会おいては、「職業選択において大切なことは何か?」について自ら考えて実感していただく為、「部活をやめようと迷っている友人にヒアリングを行い、どんな部活がおススメかをアドバイスする」というロールプレイを実施しました。そもそも部活に何を求めているのか、何を目的に部活を選んだのか、など、価値観に迫る質問を投げかけ、参加者を理解したうえでアドバイスを行う参加者の姿から、参加者は誰に教わるでもなく、価値観に基づいて行動することの重要性については直感的に理解しているのだということを実感しました。

恐らく仕事選びとなると、その他の生々しい要因から率直な選択がしづらくなるものなのだと思います。

その後グループ毎に、実際の社会人がどんな価値観に基づいて働いているのかについて知って頂くためのカタライザーインタビューを行った後、ビジネスモデルキャンバスの作成を通じて訪問先企業の事業や仕事内容について考察した後、訪問時の質問シートを作成しました。

単に仕事の内容や企業の様子に関する質問のみならず、そこで働く人がどんなキャリアを歩んできたのか、何故、そのような選択をしたのか、など、価値観や原体験に迫る質問内容についても多く挙げていただき、表面上の職場訪問に終わらないよう、カタライザーによる丁寧なリードを心がけました。

■ ジョブシャドウイング

今年は、計110名の生徒が、24社の参画企業に分かれて訪問しました。 非常にユニークな事業や職場、はたらく方々の価値観がはっきりとされている企業様が多く、参加者は「これまでの仕事に対するイメージ」を大きく揺さぶられた様子でした。

■ 事後報告会 2018年8月26日 (日)

事後報告会においては、実際に職場やはたらく社会人と触れ合ったことで何を感じたのかを棚卸し、体験共有と内省を行うことで、自分ならどんな風にはたらいてみたいと思ったのかについて言葉にしてみることを目的に実施しました。

訪問先別チーム毎の体験発表においては、非常にユニークな社風やワークスタイル、働く人の考え方などを伝える発表が多く、仕事を楽しむことや、誰かのために頑張ることの大切などをあらためて感じさせる大変充実した内容でした。


その後、各チームの発表を聞いた上で関心をもったことから自身の価値観に迫る、というワークを各グループの社会人カタライザーのサポートのもと行いました。言葉にすることには苦戦する参加者も多くみられましたが、アンケートにおいては、

・世間の評価ではなく自分の価値観を用いて進路を判断することが大切だと思った。
・仕事は楽しむことが重要だと感じた。
・価値観を基準にすることで、自分の核が出来ると思う。

など、自身の価値観に従ってキャリアを選択していくことの重要性については実感したという方が多く、はたらく社会人との接触からそれぞれ多くことを感じ取ってくれたことと思います。

社会に出ると、難しいキャリア選択や、意図せぬ転機が起こることも少なくありません。そんなとき、自分のはたらくうえでの価値観を自覚することは、偶然性は許容しつつも周囲に流されずに納得のいくキャリアを歩んでいく上でとても大切なことだと思います。
ジョブシャドウイングで感じたことをヒントにしながら、これからの学生生活で様々な経験を積み、いろいろな人と話すことで少しずつ、社会に対する認識とともに自分自身に対する理解も深めていっていただけることを願っています。

末筆ではございますが、本プログラムの実施にあたり多大なるご支援を頂きました学校関係者の皆さま、受け入れ企業の皆さま、事前勉強会、事後報告会にいらして下さった社会人カタライザーの皆さま、休日の貴重な時間を割いてプログラム作成や運営に協力してくださった全ての皆さまに、心より感謝申し上げます。
これからも、時代の要請に合った価値あるプログラムの運営に努めて参ります。
ひき続き、暖かいご支援を賜りますようお願い申し上げます。

文責:古川 秀 (代表理事)

EVENT INFO:

イベント名>>
高校生ジョブシャドウイング 事前勉強会・事後報告会
開催日時・場所>>
2017年7月7日(土)/ 8月26日(土)13:00~17:00
聖光学院高等学校
参加人数>>
高校生110名 受け入れ企業24社

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