自分軸を見つける”JS”の使い方 (2011)

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1/14(土) 「新たな年の大きな一歩!自分軸を見つける”ジョブシャドウイング”の使い方」を開催しました!

【開催日時/場所】
2012年1月14日(土)13:30-18:30 早稲田大学戸山キャンパス学生会館3Fセミナールーム

【イベント名】
新たな年の大きな一歩!自分軸を見つける”ジョブシャドウイング”の使い方

【参加者】
早稲田大学学生47名

【開催目的】
「自分の本当にやりたいことが分からない」「行動したいけど、なかなか一歩が踏み出せない」
「自分の考えている今の進路が、本当に自分に合っているか分からない」
これからの将来や就活を考えて、漠然と不安になっている学生の方達に向け、
実際に目標をもって行動している学生や、第一線で活躍するバックボーンの異なった社会人ゲストの方々をお招きし、双方の視点から将来のキャリア形成について議論し、悩める早大生の「今いったい、何をすべきなのか?」という疑問の答えを明らかにしていく。そしてそれを解決する手段の一つとして、”ジョブシャドウイング”を提案するため、開催されました。

【概要】
(1)ジョブシャドウイング紹介、説明
(2)ジョブシャドウイング体験者座談会
(3)社会人ゲストによるパネルディスカッション
(4)社会人ゲストによる討論会
(5)参加学生によるグループワーク
(6)交流会

【社会人ゲスト】
常見 陽平 氏 一橋大学社会学部卒/就職コンサルタント、大学非常勤講師
田中 宏隆 氏 慶應大学経済学部卒/マッキンゼー・アンド・カンパニー勤務
五十棲 浩二 氏 東京大学法学部卒/経済産業省勤務

【学生ゲスト】
大日方 史野 氏 早稲田大学法学部3年
笠原 利奈 氏 早稲田大学文化構想学部3年
笠岡 美希 氏 早稲田大学社会学部2年
伊藤 和徳 氏 早稲田大学社会学部2年

【ファシリテーター】
小泉 正剛 氏 東京大学新領域創成科学研究科卒/日系電機メーカー勤務
速水 結 東京学芸大学教育学部2年

【イベントの様子】
(1)JUKE団体説明、ジョブシャドウイング紹介、説明
JUKE共同代表小泉と、副代表古川からそれぞれNPO法人JUKEの団体説明及び、ジョブシャドウイングに関する具体的な説明が行われました。

(2)ジョブシャドウイング体験者座談会
実際にジョブシャドウイングに参加した学生4名による座談会を実施しました。
ファシリテーターから以下2つの質問が投げかけられました。
・ジョブシャドウイングに参加するまでの経緯(動機や問題意識)
・ジョブシャドウイング後の自分の変化
学生ゲストの希望進路は民間企業、公務員、弁護士と様々でした。社会や仕事に対する無知から来る不安があったがジョブシャドウイングで実際に社会人の方が働いている様子を見ることが出来、漠然としていた不安を解消出来たと述べていました。
また、民間企業志望では無いですがジョブシャドウイングに参加した経験者にその動機を聞いた所、公と民を比べる為の比較をすることが出来なかったからと答えて頂きました。「知っている」から出来る認識は、知らずにする認識するのとでは全然違い、深く考え判断することが出来るのですね。
ジョブシャドウイング後は行動の幅を拡げることが出来たり、もっと社会のことを知りたいとインターンに複数参加したりと、より積極的な行動に繋がったとのこと。
判断軸や、自信がジョブシャドウイングをきっかけに、自分の一歩踏み出した先から生まれたのですね。

(3)社会人ゲストによるパネルディスカッション
社会人ゲストの常見さん、五十棲さん、田中さんと、ファシリテーターの小泉によるパネルディスカッションが行われました。
ここではゲストの方に
・高校時代の大学の選び方
・就活期における会社の選び方
・これまでや現在抱える会社におけるギャップの克服と反省
について伺いました。
以下、3人のパネリストの意見や経験をまとめさせて頂きます。

まずは常見さん。
就職活動では大学での専門分野の影響もあり、コンサルやエンターテイメント等の職を目指しますが、その時には核として「20代で成長しよう」という会社選びの軸を持っていたそうです。
働き方が多様化する中で、現在就職コンサルタントとして活躍なさっている常見さん。今の職業に就かれたのも、日本の雇用と教育の問題を重大に考えているから。
仕事をする上での判断基準は、「それは世の中を変えるのか?」というもの。常に世の中を変えるため奮闘していらっしゃる常見さんは口調は軽快でしたが、その言葉に感銘を受けました。

五十棲さん。中学入試での経験から、堅実な努力を重ね、東京大学へ。
「大学の外へ出る」ことをモットーに様々な経験をなさってきました。現在経産省にお勤めの氏は、3年時までは公務員という進路は全く考えていなかったといいます。しかしシンクタンクや省庁でのインターンを経、希望進路が固まっていきます。自分の問題意識を解決出来るのは省庁だと。五十棲さんの仕事をする上での判断軸とは「前例を乗り超えること」「死ぬ時に後悔ではなく、良かったと思えること」。コンサバティブな印象を受ける公務員というお仕事ですが、常にクリエイティブに、悔いなきように。五十棲さんに真の公務員像というものを見た気がします。

そして、田中さん。
就職活動期は悩み、自分の興味がある分野に就いて深く掘り下げていきました。何故その分野に興味が出たのか。そうして、「自分がリードして新しいことをしていきたい」という価値観に辿り着くことが出来たのです。前職である日系のメーカーへの就職の決め手はその企業の経営者の書いた1冊の本でした。偶然で出会った本から今の状況になっているが、というのも、幅広くアンテナを張っているおかげでもある。直感というものを大切にしている。信念は曲げず、とはいえ耳を塞ぐのではなく、自分の選択肢を狭めず、拡げようとすること。田中さんのアンテナを張り続ける姿勢というのは社会人に限らず、学生にとっても大事なことだと思います。そして今も可能性や選択肢を拡げ続ける田中さんの姿勢は学ぶ所多いと感じました!

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(4)社会人ゲストによる討論会
引き続き、ゲストの方に登壇して頂き、以下の2つのテーマについて、互いに議論を交えて頂きました。
・将来やりたいことが見つかっていない大学1、2年生が今やるべきことは何か
・自分が大学1、2年生ならジョブシャドウイングに参加したか

常見さんは今やるべき事について以下のように仰っていました。
やりたいことなんて中々見つからない。特に学生は社会人に比べれば視野は狭いから。仕事をする上で、自分がやりたいと思っていた仕事でも思い描いていたものと違い、辛いものもあった。夢と現実の辛さであったと思う。この経験から、みんなに言いたいことは一つ。「やりたいことをやれ!そのために賢くなれ(騙されるな)!」
また、やりたい事をやるためには、できる事を増やさねばならない。できる事を増やすには、今、やるべき事をやる。must→can→will/wannaの順だ。そういった行動一つ一つが、前に進むということになる。

五十棲さん。
自分の琴線に触れるような事に出会う事。感情の起伏が起こるような事というのは、とにかく行動しないと出会えない。何もしなければ分からないままだ。 自身の経験でいえば、自分の転勤が決まった時。住み慣れない土地に移る事になり、それは妻にとってかなり負担が大きかった。自分のしてきた仕事で家族を幸せに出来ないという事に直面し、それが自分の琴線に触れた。

そして田中さん。
人それぞれ好きな事は違う。「本当に好きなら、実際に自分でやってみろ!」例えば映画が好きな人で、更に自分で撮っている人というのは限られている。ただ見ているだけから卒業しよう!まずはトライしてみる! 大きな目標を持った時、現状と理想のギャップは激しいと思う。だが、自分で今できる事から階段(ステップ)を作り、一つ一つ成し遂げていけばいいんだ。ステップの歩み方は一つじゃない。とにかく、やらないと何も始まらないんだ。やると「決めた」人間は強いよ。

お三方が自分の体験談を交えて、何をすべきかについて述べてくださいました。共通しているのは、「目の前のできる事、やるべき事を一つずつ確実にやってみること」。何もやらない状態というのはただ負のサイクルを生み出すだけ。やってみること、大事なのは行動の内容というより、各個人のトライそのもの。その小さな積み重ねが出来るか出来ないかが重要なんですね。

では、お三方はジョブシャドウイングの機会があれば、参加したのでしょうか。

まずは常見さん。
ジョブシャドウイングだけがすべてではないと思う。社会人になって初めて気付く事、ショックもあるから。ただ、鞄持ちという経験を通して人生が変わった自分の友人の例がある。大学生には、その大学生というステータスを十二分に活かして欲しい。いろんな人、誰にでも会えるんだから。

田中さんは以下のように仰りました。
ジョブシャドウイングには学びがある。そして、得るものはあっても、ジョブシャドウイングで「失うものは何もない」んだ。ジョブシャドウイングには参加者同士でチームを組み、プレゼンし、それに対して社会人からフィードバックをもらう事ができる好機がある。これは本当にチャンス!活かすしかないと思うよ。

そして、五十棲さん。
自分ならやる。1、2年生の頃に社会へのビジョン持っていたら3、4年生は変わっていたかも。ジョブシャドウイングはチャンスだ!企業の事をひょこっと垣間見る事ができる。そうすれば、判断基準に深みが出るね。

先ほどのやるべき事に関する議論同様、ジョブシャドウイングを”チャンス”と捉えていらっしゃいました。社会人と出会えるチャンスであり、価値観を深めるチャンスでもあるのがジョブシャドウイングなんですね。

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(5)参加学生によるグループワーク
・ゲストのお話で共感した所
・イベントは将来やることが見つかるきっかけになったか
・ジョブシャドウイングをやってみたいと思ったか
以上の三点を理由を含めて、参加者6・7人のグループ内で共有しました。
グループには社会人ゲストの方に1人ずつ入って頂いたため、参加者の皆さんの意見や学びに対してその場でフィードバックを貰える場となっていました。
参加者の皆さんも、その声を聞く社会人の方も活き活きとやり取りをしていらっしゃって、各グループ毎に独自の展開を見せていました。普段はなかなか社会人の方に自分の考えを伝えられる機会が少ない学生にとって、とても貴重な場となりました!

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(6)交流会
社会人ゲストの方々や学生ゲスト、スタッフ交えての交流会でした。
社会人を学生が取り囲んで質問を投げかける等、積極的な参加者の方達が多く見受けられました。和やかな雰囲気の中、社会人と学生の距離が縮まったように思います。

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今回は新2、3年生がい一体今何をすべきなのか、その答えを見つける一つの手段として、ジョブシャドウイングを体験談を含め、紹介しました。そしてジョブシャドウイングに留まらず、社会の第一線で活躍されている社会人の方が一体学生時代に何をされていたのか、そして人生の先輩として学生に対するメッセージは何か、ということを明らかにしていきました。
学生、そして社会人のゲストの方々のお話を聞いていて感じたのは、皆さんが本当に幅広く深い判断や行動をしているのだということです。イベント内では「学生であることの特権」について触れる折もありました。学生のうちは社会人になると失うもの(時間や肩書きによる制限など)についてなかなかリアリティを持てず、一歩踏み出す積極性を持つことや、学生で余裕のある時間を自分が本当に納得のいく使い方をすることが下手になりがちです。しかし、実際に「行動し」、心から面白いと言えるような学生生活を送って来られた方々の持つ気迫にイベントでは触れることが出来、参加者の皆さんと同様、私も鼓舞されました。

多忙な時期にも関わらず、参加者の皆さんに足を運んで頂き、とても嬉しかったです!
豪華な社会人ゲストによるコンテンツはもちろん、すべてのコンテンツから深い学びを得る機会がありました。また、参加者の方から直に「面白かった」といって頂けたこともあり、濃厚なイベントとなったと思います。グループワーク時の参加者の皆さんとファシリテータ、又参加者の意見にフィードバックを与えるご意見番として入って頂いた社会人ゲストの方々の作り出した会場の熱気は今でも印象的です!
参加して下さった皆さん、本当にありがとうございました!

文責:速水 結(BASICコミュニティ 学生スタッフ)


 
 
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