JUKE BOX #004

Itv004_t1_050瀬尾 萌 さん
京都大学 経済学部卒業。大学卒業後、外資系証券会社 投資銀行部門にてM&A及び資金調達のアドバイザー業務に従事。その後、株式会社ビズリーチに転職、管理部門の業務に携わる。現在は、タイムセール型ECサイトLUXAを運営する子会社の株式会社ルクサに移籍し、経営戦略室長 兼 管理本部長を務める。


Q1.学生時代から現在のお仕事に至るまでのことを、教えてください。
大学時代は、勉強よりも体育会の運営に力を注いでいました。もともと居合道部に所属していたのですが、そこから体育会本部に派遣されて幹事長を務めました。体育会では大会運営や冊子作成のための協賛集め等をしていました。卒業後は、外資系証券会社に就職してM&Aや資金調達のアドバイザー業務に携わりました。

当時の仕事は「給与」と「成長できる環境」を重視して選びました。ドキュメント作成や営業など、朝9時から深夜2時まで仕事漬けの毎日で、とにかくバリバリ働いていましたね。たまに夜11時頃に仕事が終わると落ち着かなくて、時間を持て余してDVDを借りに行ったりして(笑)。そこで2年半ほど働いた後、転職して今に至ります。


Q2.今はどのようなお仕事をしているのでしょうか。
主に管理部門の仕事をしています。簡単に言うと「組織が継続的にうまく回るように、環境を整える」のが私の仕事です。もう少し具体的には、今はIPO準備と業務改善を行っています。IPO準備は、例えば、労務管理をきちんと行って残業代を支払っているか、社内の作業がマニュアル化できているか、計画通りに事業を実行・管理できているのか等、企業が上場するうえで求められることの整備です。業務改善では、業務フローや人的配置を見直すことで、仕事の効率化を図っています。


Q3.希望通りの環境(外資系証券会社)で働いていたのに、なぜ仕事を変えようと思ったのですか。
単純に「合わないな」と思ったからです。私の実家は自営業で、両親が自由に働くのを見て育ったので、それが当たり前だと思っていました。でも、サラリーマンの働き方は必ずしもそうでないと、就職して初めて気づいたんです。前の会社は大企業で年功序列的なところがあり、上からの指示を忠実に実行できる人が評価される文化でした。しかし、私は学生時代から体育会本部のトップとして統括してきたこともあり、「言われたことを実行するだけ」で働くのは面白くなかったんですね。

特に「なんか違うな」と思ったのが、とある担当プロジェクトで自分が成果をあげたときのことです。周りから仕事を認められて自分も達成感があった一方で、「知識がついて色々分かった上で、うまく物事を仕切れているな」という評価を上司にされたときに、会社が評価するポイントと自分が大事にすることが違うことに気づきました。そのときに「向いてないんだな」と改めて感じたんです。私は、リスクをとった大胆な意思決定が評価されるような環境のほうが面白いだろうな、と思いました。


Q4.では、どのように今の仕事を選んだのでしょうか。
前職は「給与」と「成長できる環境」という軸で選びましたが、自分にとっては、「意思決定できる環境」が重要だと気付いたので、その点を重視して仕事を探しました。また、前職を通じて「お金じゃないな」と気付いたこともあって、給与に関してはあまり気にしなくなりました。もう一つは、未経験の私でも「管理部門をやらせてくれるところ」を探しました。

実は、両親がNPOの活動をしていて、花形である代表の母が「できます!」と格好良いこと言って案件を何でも持ち帰って来て、事務局の父が裏側で怒りながらサポートしてそれを何とかするという(笑)、そういう構図が両親の間であるんです。私は両親共に尊敬しているのですが、そうした光景を見て父のように裏方で支える仕事をしたいと思いました。これらを踏まえて管理部門の業務をさせてくれるベンチャー企業を探し、今の会社に勤めることになりました。


Itv004_b1_050Q5.今の環境や選択には満足していますか?
満足しています。特に、意思決定権の在り方が全く異なり、自由に物事を決められるのがとても良いですね。

ところで、こうして自分の選択について振り返ると、私の価値観の原点は両親にあるのだと思いますが、学生の頃には全く気づきませんでした。このことが分かるためには、社会人経験が必要だったんだな、と思います。新卒のときにも色々とロジカルに考えましたが、こじつけがうまくできちゃうので、結果的に自分に合わない会社に入ってしまいました。とても良い会社だったんですけどね。最近は、自分の感情や直感にストレートに行き着くために頭を使うのが大切だな、と感じています。


Q6.最後に、学生へのコメントをお願いします!
仕事選びに関して、学生は働いた経験が無い中で意思決定をしないといけないので、情報の扱い方が重要です。東京の学生に関しては、情報収集も良いですが、消化不良にならないよう自分としっかり向き合うことを大事にして欲しいです。他の地域の学生はイベントや情報も少ない分、逆に自分と向き合いやすい環境にあると思います。「東京にいないから」とか言いわけにしないで、それを強みとしてください。情報収集は大事なんですが、結局のところ自分の経験が一番貴重な情報です。人から聞いた情報はそれに過ぎないですから。なので、ちゃんといろんな経験をして、自分と向き合って欲しいですね。


 
 
※1 本文中に記載されている組織・役職名・その他の情報は掲載当時のものであり、現在では異なる場合があります。
※2 本文中の出来事・状況に関する説明は、JUKEの活動に関する情報提供を目的とするものであり、情報の信憑性や教育プログラムの効果の判断などにおいては、ご自身の責任においてお願い致します。
※3 当該情報に基づいて被ったとされるいかなる損害についても、NPO法人JUKEは、一切の責任を負いかねます。
 
 

No Comments

Sorry, the comment form is closed at this time.