JUKE × 河合塾ALUMNI共催 (2011)

NPO法人JUKE&河合塾ALUMNI共催イベント「大企業・ベンチャー・中小企業を技術とビジネスの視点から比較!各キャリアの違い」を開催致しました!

【開催日・場所】
11月26日(土)7階河合塾池袋校西校舎別館 7階7E教室

【イベント名】
大企業・ベンチャー・中小企業を技術とビジネスの視点から比較!各キャリアの違い

【参加】
21名

【目的】
「どんな仕事がしたいのだろう?」「どんな仕事があるんだろう?」
「あの仕事があるのは知ってるけど、どんなことをやっているのだろう?」
あなたはこう思ったことはありませんか?

大企業・ベンチャー・中小企業といった全く違うキャリアを技術者サイドとビジネスサイド
で活躍されている方をお呼びして、各々のキャリアがどう違うのか徹底的に伺うこと。
何をしたいと考え、どういったキャリアを歩んでいるのか、
そのキャリアにしかできないことがあるのか、
低迷する日本のものづくりをどうしたらいいのか、
様々な視点から、各キャリアについて考えていくため、本イベントが開催されました。

【概要(スケジュール)】
14:00-14:15 イベント説明・団体説明
14:15-16:15 パネルディスカッション
16:15-16:45 グループディスカッション
17:00-18:00 交流会

【ファシリテーター】

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田中 宏隆氏

マッキンゼー・アンド・カンパニーにてハイテク業界を中心に日系企業の戦略立案、海外展開を支援。
慶応大学経済経済学部卒→パナソニック株式会社→南カルフォルニア大学MBA(IBEAR)
→パナソニック株式会社→現職

【パネリスト】

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佐々木 誠氏

株式会社TDF 代表取締役社長。
1950年生まれ。大阪府出身。信州大学大学院工学研究科修了。大学院修了後、いすゞ自動車に入社。14年間生産技術、その後5年間製造。
1999年より2005年までタイ国いすゞ自動車生産担当、副社長。帰国後いすゞ藤沢工場長兼車両担当、2009年6月より現職

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宮原 秀一氏

株式会社プラズマコンセプト東京代表取締役/東京工業大学大学院特任助教
1977年生まれ。東京都出身。東京工業大学大学院総合理工学研究科修了(工学博士)。
博士習得後、大学の研究員をしながら、指導教員であった沖野晃俊先生と、
大気圧プラズマ装置を製造販売するベンチャー企業を起業し代表取締役に就任。現在に至る。

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張 兆明氏

京都大学工学研究科都市環境工学専攻修了後、株式会社日建設計設備設計部門に従事。
現在空調・衛生設備設計者として、日本国内、海外の物件の空調・衛生設計に携わる同時に、大手不動産のCO2排出や省エネ等についてのコンサルタント業務も励んでいる。

【イベントの様子】

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河合塾ALUMNIのAYC関東とNPO法人JUKE共催で行われたパネルディスカッションイベント『企業形態の差異から考えるキャリアプラン』をテーマに開催されました。
会場には多方面から多くの大学生たちが集まり、パネリストの話に熱心に耳を傾けていました。

司会進行を務めるAYC関東の平間・伊藤からの開会の辞、両団体説明が終わり、いよいよパネリスト3名とファシリテーターが登場。順番に自己紹介をしていただき、大学卒業から現在までの略歴を語っていただきました。
みなさんいずれも技術畑で活躍されてきた人で、専門は家電製品、自動車、プラズマ、建築など様々、興味深い経歴の持ち主ばかりでした。共通点としては、大 学時代の専攻から今の仕事へつながったという人が多く、そこから今に至るまでの経験を苦い経験談も交えながら、貴重なお話を伺うことが出来ました。

最初のテーマは「働き方の違い、イメージと実際」。

佐々木さん:大企業は、組織をどう動かすか、どう盛り上げるか、組織の能力をどう高めるかが大切。時期ごとに戦略を立てていく。

大企業では、自分のやりたい部署にいけない可能性がある。ただ、部署の中では自由度があるので、これはあくまでも社風にもよるが、やりたいことをやっても 文句が出ないことも多い(そのかわりあまり面倒は見てくれないかも・・・)。なので、大企業にいても情報収集も兼ねて自由に色々やってみることが大切!

宮原さん:ベンチャー企業の場合、一から十まで自分でできること。だからこそやりがいを感じるし収益がでれば、それをみんなで山分けする。それが至福の時。しかしそこにはかなりの責任が常にあるし、睡眠時間や休みも少ないので、自分の時間を作るのが難しい。

張さん:自分の場合、設計者として自分のアイディアを施主に通すことが難しい。毎回施主の言うことが違う。提案しすぎてもコストがかさむし、提案をあまり しないと施主の声を反映できない。エンジニアとしては、人(海外を含め)とのコミュニケーションが一番難しいと感じている。

?ここで参加者へ質問タイム。早速、複数の手が挙がり、まず最初の質問?

「会議などで、相手(上司、お客様、同僚など)とのコミュニケーションのとり方で工夫していることは?」

宮原さん:そんなことはまったく気にしない。会議では何でも本気で言いたいこと、思ったことを言うようにしている。ただ、言いたいことが言えるために相手との関係作りは普段からしっかり行うことは大切にしている。

張さん:その会議の目的を念頭にいれながら会議を進めるようにしている。テクニックとしては、最初にこの会議の目的を話してから議題に入ること。

佐々木さん:自分が出席する会議は大抵既に決まっていることが多いのですが、その会議の前段階の時点で、社員2・3人と気軽に談笑してコミュニケーションをはかっておく。このときは本気で話す。そして気軽な(喧嘩のできる)人間関係にしておく。

田中さん:ミーティングはファシリテーションが重要。自分も仕事上、毎日沢山のミーティングを行います。ミーティングを行う際、一番重要なことは、 そのミーティングの目的・聞きたい成果を決めておくことです。会議には2つ種類があり、議論とブレストがある。ブレストはアイディアベースで自由な発言の 場なので、否定はなくどんどん発言し、結論が出なくてもOKです。一方議論は決裁すべきことを話し合うので、もちろん否定もありになります。議論では、やんわり否定(棚上げ)やパーク(駐車)などの手法を使いながら、最終的にミーティングの後に何が出たのかを明らかにするように持っていかなければならない。

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ー 他にもいくつか質問があがり、盛り上がった中、1部終了。休憩が入り、引き続きパネルディスカッション ー

「これからのエンジニア像とキャリア選択」

佐々木さん:日本の物作りが輝くために必要なことは日本にある技術力をもっと大切にしていくこと。自動車部品に関しては、”部品は現地で”というのが鉄 則。なので、安い人件費を求めて、国外へ仕事を出すことが増えてきている。じっとしていると全部仕事が外へ出ってしまう(海外8割、国内2割の生産)。今 後はASEANがますます発展していくので、どうお付き合いしていくかが大切。そしてやはり一番大切なのは、技術力でしょう。

宮原さん:「こういうお客さんが来たらいいな」という思いで発信していきたい。「こういう技術があるんですよ。」というのを世の中に発信し続けていきた い。他にどこもやっていないからベンチャーなので、市場がどこにあるかはわからない。話が来たときはすぐに対応できるような体にしておくことが大事だと考えています。

「これからの日本の産業について」

宮原さん:日本では勉強している範囲が狭い。(縦割り過ぎる)。そのため視野が狭くなる。問題解決手段が一つしかない。知識の引き出しを多く持っておく必要性がある。

佐々木さん:「テクノロジーはスキルを陵駕する」といいますが、歴史ある物には高技能者(親方)が必ずついている。ものづくりの本質を理解して仕事をすること。全体を把握しているエンジニアが少ないので、そういう幅広いエンジニアが育ってほしい。

張さん:会社から視野を広げてみる。知識的にも、地理的にも幅広く知っておくことが大切。日本以外の国についても事情が分かっているとよい。会社は3?4年後まで戦略をたてて、進出する国を考え、人事や教育を行う必要があると思う。

「最後に学生へのメッセージ」

張さん:いろんなことに興味を持って学ぶこと。自分の専門以外にも興味を持って勉強してほしい。

宮原さん:将来のために備えることはできるけど、頑張ることはなかなかできない。それならば、今この時間にやらなくてはいけないことをやればなんとなく見えてくる。とにかくなにかに情熱を持って生きてほしい。もし情熱がなくなったら、変えてしまうというのも一つの選択だと思う。

佐々木さん:幸運をつかむための準備は常にしておくこと。そのためには、今直面している課題に一生懸命取り組むことが重要。日々の努力が幸運をもたらします。

今回のパネルディスカッションで印象的だったのは、「視野を広く持つことが大事」と3人のパネリストが口を揃えておっしゃっていたことでした。日本の大学では、専門性の高い学科ほど学ぶ領域が狭くなりがちですが、自分の専門分野にとらわれずに様々な考え方を知っておくことの重要性を再認識させられました。

社会人になれば、自分の仕事の領域以外で学ぶ機会は減ってしまうでしょう。学生のうちだからこそ、今いる場所に満足せずにできることを広げてみるのも良いのではないでしょうか。

ー 続いて、グループディスカッション ー

パネルディスカッションを聞くだけでは、知識はインプットされただけで終わってしまいます。そのため、パネルディスカッションで感じたことを共有する場としてグループディスカッションを行いました。5つのグループに別れ、各グループにファシリテーターの田中さん、パネリストの佐々木さん、宮原さん、張さん、NPO法人JUKE代表の佐藤さんが入り、参加した学生は思い思いの意見や質問を投げかけました。その後、議論は「自分が今後どうしていきたいか」まで発展。各グループ、将来に通じる真剣な議論が行われていました。自分の意見だけでなく、同じパネルディスカッションを聞いた別の学生の意見を聞くことで、視野が広がるきっかけとなりました。

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最後はアンケートの記入をしてもらい、終了。その後、任意参加で交流会を行いました。こちらも多くの人が参加。最後までにぎわうイベントとなりました。
参加した大学生にとっても運営をしたAYC関東のメンバーやJUKEのメンバーにとっても、経験豊富なパネリスト、ファシリテーターの話を聞いて、これからの生き方、考え方を模索する上で貴重な機会になりました。

【アンケートより、参加者の感想】
○今からでもできることについて見直すことができた。
○色々な分野の話が聞けて大変興味深かった。自分は文系なので、理系の専門的な話は良く分からなかったのですが、会社や将来のことを考える上で、とても面白かった。
○自分の専門と他の人の専門を組み合わせて仕事ができるのだなあと思いました。
○グループディスカッションが今日一番響く時間でした。今からやるべきことなどが明確にわかった時間でした。
○話は面白かったが、脈絡がなかった気がする。就活に役立つテーマも扱ってほしかった。
○参加者からの質問タイムが少なかった。グループディスカッションをもっと増やしてほしかった。


 
 
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