12月5日〜12日の8日間を通じ、慶應義塾大学、お茶の水女子大学などの学生15名を対象に、ジョブシャドウイング・プログラム(※1)を実施しました。
※1 ジョブシャドウィング・プログラムとは、高校生・大学生が社会人の就業時間に一日密着し、「仕事」をリアルに体感してもらうキャリア形成支援プログラムです。働くこととはどういうことか？、社会人はどのようにして働いているのか？といった「仕事」に対するさまざまな疑問を解決し、大学生がよりリアルに、将来のキャリアの多様な可能性について認識するきっかけを提供する目的で運営しています。

JUKEのジョブシャドウイング・プログラムでは、学生の学びを高めるため、仕事見学(企業訪問)だけではなく、事前・事後の勉強会を実施しています。ここでは、12月5日、12日に実施された「事前勉強会」「事後報告会」の様子をご紹介します。

◆◇事前勉強会◆◇
事前勉強会は、ジョブシャドウイングで訪問する企業についての理解を深め、当日に明らかにしたい「問い」を持ってもらうことを目的としています。

(1)ワークショップ
訪問企業ごとのグループに分かれ、社会人スタッフのサポートのもと、サプライチェーン・バリューチェーン(サービス・商品がどのように生み出されて最終消費者まで届くのか？、訪問先企業はどの役割を担っており、具体的にはどういった仕事をしているのか？など)というフレームワークを用いた企業分析を行いました。また、企業分析を関連づけてAE分析(※2)を行いました。
※2 AE分析とは
「スキル・知識」「適性・ふるまい」「目標・価値観」の3つの視点から、企業分析とその企業・業種で働く個人を関連づけて分析する手法をさします。

(2)質問シート作成
企業訪問の際に密着する社会人に質問したいことを、各々書き出していきました。事業内容に関する項目が多い学生、社会人の考え方に関心が強い学生、「働き方を見たい」という学生など、様々でした。

◆◇事後報告会◆◇
事後報告会では、参加学生がジョブシャドウイングを通じて学んだことを他者へ共有し、自分自身の学びへの転換(リフレクション)を促すことを目的としています。

(1)発表準備＆プレゼンテーション
発表準備では、訪問企業ごとのグループに分かれてプレゼンテーションの準備を行いました。
プレゼンテーションのMissionは「その企業を知らない人に対して分かりやすく5分でプレゼンする」です。主に、1.事前勉強会で実施したバリューチェーン・サプライチェーンが合っていたかどうか、2.密着した社会人の様子や1日のスケジュールの2点を中心に、参加学生、社会人スタッフが意見を交わしながら進めていきました。

プレゼンテーションでは、各チームごとに前述の2点を中心としたプレゼンテーションを実施しました。参加学生が、訪問時の様子や感想を目を輝かせながら熱弁する姿が印象的でした。また、他の参加学生や社会人スタッフが積極的に質問をし、活発な議論が交わされました。

(2)ワークショップ
訪問企業別のグループをシャッフルしメンバーを入れ替え、AE分析の考えをベースに、キャリア選択における個人の「スキル・知識」「適性・ふるまい」「目標・価値観」の３つを考えるワークショップを行いました。自分の意見を活き活きと話す学生の姿が印象的でした。また、社会人スタッフからの「問い」から新たな視点を得た学生も多くいたようです。

今回はコンセプトとして「”楽しく働く”を考える」を掲げていました。参加学生からは、「会社というと利潤の獲得が第一だと思っていたが違った」「〇〇さんのパワーに圧倒された」など、働くことへの期待感がにじみ出るような感想が見られました。
”楽しく働く”の定義は人それぞれですが、自分の中の軸は何か？を見つけるきっかけを作ることができたと考えています。

最後になりますが、ご参加頂いた学生の皆さま、学生の受け入れにご協力を賜りました企業の皆さま、この度は誠にありがとうございました。この場をお借りし、厚く御礼申し上げます。
NPO法人JUKEでは、高校生、大学１・２年という早い段階からキャリアについて自ら考え、行動するきっかけを提供するため、今後もより多くの高校生・大学生向けにジョブシャドウイングを提供していきたいと考えております。引き続きご理解とご協力のほど、どうぞよろしくお願い致します。

文責：中島光来（お茶の水女子大学4年）

保存保存