JUKE BOX #010

坂根 遼 さん
大阪大学基礎工学部システム科学科卒業。同大学院生命機能研究科修了。大学入学当初は情報科学科に在籍していたが、在学中に生命系の勉強が出来るシステム科学科に転学科。大学院では神経の研究をしていた。就職活動時は、メーカー志望で活動を始めるものの、最終的にメガバンクに就職。その後転職し、現在は総合系コンサルティング会社にて勤務している。


Q1.学生時代は何を学んでいましたか。
高校時代はAI(人工知能)に興味がありました。なので、AIを研究する上で必要な知識を付けるために、大学入学時は情報科学科を選び、プログラミングを専攻していました。在学中、生命そのものに興味が移っていったため、3年次には転学科してシステム科学科に移り、生物を専攻しました。また、3年生のときには「単純にこのまま大学院に行くのもどうかな」と思い、一つの選択肢として就職活動にも挑戦しました。その時に「自分に強みが何もない」と感じ、何かしら強みとなる専門分野を持ちたいと思ったので、大学院に進みました。その頃にはAIから生物に興味が移っていたので、大学院では神経について研究をしました。当時は、「自分が今どういうことをしたいか」ということだけを考えて、その時に一番興味の持てることに全力で向き合っていました。


Q2.お仕事はこれまで何をされてきたのですか。
大学院修了後、銀行に就職し、主に企業向け融資を担当していました。今は転職して、コンサルタントの仕事をしています。


Q3.専門分野があったにも関わらず、全く違う職種に進んだきっかけはありますか。
私の転機は大学1、2年のときに、NPOであるAIESECで活動をしたことです。主な活動内容は、海外でのインターンシップ希望者向けに、インターンシップ可能な企業先を斡旋するというものでした。その活動を通し、いろんな人に出逢い、自分の学んでいる分野と全く違う世界を知ることが出来ました。そして、「いかに自分の生きている世界が狭いか」ということを痛感しました。理系文系に関わらず様々な学生に出会えたこと、また、同じ理系学生でも、例えば途上国の農産物を適正な価格で販売するフェアトレードを学びたいという学生に出会えたこと。これらを通して多くの刺激を受けました。それがきっかけで転学科を決意し、更には専攻の枠を超えて自分が将来何をしたいのかを考えるようになりました。


Q4.実際、どのように就職活動したのですか。
先述の通り、学部時代でも一度就活をしましたが、実際に就職に至った就活は大学院生の時に行いました。大学入学当初に出会った友人はみんな理系で技術職を目指す人ばかりでしたが、AIESECや他の団体での活動を通して“理系だけれども専門に捉われず就職を考えている人”にたくさん出会えたので、いわゆる“文系就職”への抵抗感もなく、幅広い視野をもって様々な分野の会社を受けました。

最初はマーケティングや商品企画に興味がありメーカーを受けていましたが、次第に、「メーカーで、自社商品だけに携わるのは面白くないかもしれない」と思うようになりました。「一つのことにすべてを捧げること」に抵抗感があったんです。そんな時、たまたま銀行のセミナーに参加して、銀行員は沢山の企業や様々な業種の人に接することが出来る仕事だと知りました。新しい出会いがあり、刺激をもらえそうな職場で、自分の性格にぴったりだと感じ、就職先として銀行を選びました。


Q5.専攻とは異なる就職をしたことに、今満足していますか。
はい、良かったです。「今、理系の研究職をやっていたいか?」と言われたら、そうではないです。想像の範囲ではありますが、もし研究職に就いていたら、社会人4年目ではまだ研究のための下積み期間で、仕事の裁量や自由度も今とは違ったのではないかと思います。今、私はコンサルタントとして割と自由に仕事をさせていただいていますし、様々なことに挑戦出来るので、飽き性な自分に合っていると思います。


Q6.最後に、学生へのコメントをお願いします!
自分が実際にやって良かったと思うのは、色々な場所に出向いたことです。高校時代から自分が興味の持ったものには積極的に参加していて、社会人になった今でも、読書会や勉強会に足を運び、新しいコミュニティに参加するようにしています。たとえ、参加したコミュニティにいる人の興味と自分の興味が全然違ったとしても、新しい価値観や考え方に触れることの出来る良い機会だと思うので、行ってみると面白いですよ。

自分に身近な世界だけではなく、未知の世界に一歩踏み入れてみる勇気が大事だと思います。そして、その時自分が一番興味の持てることに注力し、頑張ることがも大切だと思います。最初自分が思い描いていたことと違うことをしていたとしても、振り返ってみると最終的にはすべて繋がり、成長出来るはずです。


 
 
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