高校生ジョブシャドウイング 2015 in 横浜

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7月18日〜9月5日の2ヶ月間を通じ、聖光学院高等学校、洗足学園高等学校の生徒82名を対象に、ジョブシャドウイング・プログラム(※)を提供いたしました。
ジョブシャドウィング・プログラムとは、高校生・大学生が社会人の就業時間に一日密着し、「仕事」をリアルに体感してもらうキャリア形成支援プログラムです。働くこととはどういうことか?、社会人はどのようにして働いているのか?といった「仕事」に対するさまざまな疑問を解決し、大学生がよりリアルに、将来のキャリアの多様な可能性について認識するきっかけを提供する目的で運営しています。

JUKEのジョブシャドウイング・プログラムでは、学生の学びを高めるため、仕事見学(企業訪問)だけではなく、事前・事後の勉強会を実施しています。ここでは、7月18日、9月5日に実施された「事前勉強会」「事後報告会」の様子をご紹介します。

◆◇事前勉強会◆◇
事前勉強会は、ジョブシャドウイングの訪問する企業や組織についての理解を深め、当日に明らかにしたい「問い」を持ってもらうことを目的としています。

今回は、訪問先別にグループをつくり、”ビジネスモデル・キャンパス”というビジネスのフレームワークを用い、その企業・組織の扱うサービス・商品がどのように生み出されて最終消費者まで届くのか?、その過程で訪問先はどの役割を担っており、具体的にはどういった仕事をしているのか?といった複数の切り口で企業や組織を理解するワークを進めていきました。
ワークには、JUKEの社会人サポーターや訪問先の社員の方にもご参加いただき、学生が考える仮説に対して様々な問いかけを投げかけていただくことで、参加学生それぞれが、訪問先で聞きたいことは何か?自分が理解していないことは何か?を、よりシャープにしていきました。

(1) 開会
オリエンテーションを実施した大教室には、聖光学院生・洗足学園生・JUKEスタッフ・カタライザーなど合わせて120名程度の人間が集まり、大変な活気に包まれていました。
オリエンテーションでは、ジョブシャドウィングの説明、事前勉強会自体のプログラム内容が伝えられ、時折冗談に笑いながらも、慣れない環境にどこか緊張している学生たちの様子が印象的でした。
※カタライザー:事前勉強会・事後報告会において、参加者の学びをサポートする社会人ボランティア。

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(2) グループワーク―企業・組織分析(ビジネスモデルキャンパス)
今回の事前勉強会では、「訪問する企業・組織が存続している仕組みを解明せよ!」というミッションが出され、生徒とカタライザーが協力し合って、訪問企業・組織に関する7つの項目(1.キーアクティビティ,2.顧客,3.与える価値,4.キーパートナー,5.コスト,6.収入,7.情熱)に関する仮説を立てていきました。
最初は、カタライザーにリードされていた生徒達も、途中からは自分たちで議論を進めるようになり、「この顧客がいるならこんなアクティビティもあるはず」などと各項目のつながりに注目しながら、活発な議論を展開していました。

(3) 質問リスト作成・まとめ
グループワークの締めくくりとして、そこまでの議論で出たさまざまな疑問を、「質問シート」に書き出しました。「ビジネスモデルに関する質問」と「働くことへの思いについての質問」を、生徒の素直な言葉で表現していました。

事前勉強会では、生徒達の意欲的な姿に驚くと同時に、ジョブシャドウイングを通じて、生徒ひとりひとりがどのような変化を遂げるのか楽しみになりました。

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◆◇事後報告会◆◇
事後報告会では、「訪問で見聞きして得た知識を整理すること」「訪問企業のことを共有しあうことでより多くの知識を得ること」「キャリアに対する価値観を洗い出すこと」の3つを目的に、訪問企業ごとにチームになって行うビジネスモデルキャンバスを使った発表やキャリアに関する価値観を整理するワークショップを行いました。

(1)開会
最初のオリエンテーションでは、事前よりも全体的に打ち解けた雰囲気でスタート。事後報告会の目的やプレゼンテーション大会の説明を真剣な眼差しで聞いてました。

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(2)ワークショップ①
最初のワークショップでは、事前勉強会でも考えたビジネスモデルキャンバス(高校生用に簡易化したもの)を、実際に訪問で見聞きして得た知識を基に整理し直し、発表してもらいました。

①ビジネスモデルキャンバスを使用した企業分析
まずは当日のことを思い出す段階から開始。下書き用紙にビジネスモデルキャンバスを埋めて、最後に発表用に模造紙に資料を作成した後、ワークショップ後の発表用に模造紙を使用して発表資料を作成しました。
事前勉強会ではまだ手探り状態だった高校生達ですが、事前勉強会や訪問を通して同士もすっかり仲間同士になった様子でした。また、スピーディーにビジネスモデルキャンバスを埋めていく姿や、ビジネスモデルキャンバスという同じフォーマットを基にしているにもかかわらずチームごとに発表資料に様々な工夫する姿を見て、参加高校生達の順応性の高さや想像力の豊かさに驚かされました。

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②発表
発表では、発表する人は「訪問企業の人事担当者」となって訪問企業の魅力をアピールしました。それに対し、発表を聞く側の人は「仕事を探す人」となって自分が一番働きたいと思った企業に投票しました。少し緊張しながらも各教室一体となって、前向きに自分達の訪問企業を懸命にアピールしていました。

(3)ワークショップ②
2つ目のワークショップは打って変わって、キャリアに対する価値観に着目したワークショップを実施しました。訪問を通して思ったことはもちろん、訪問する前から思っていたこと、事後報告会での発表をきいて思ったこと等、自分が持つキャリアに対する価値観の全てを洗い出した上で、自分自身のキャリアを考える際に大切にしたいことは何か、考えてもらいました。
ここでも、普段はあまりない、同世代の子達と将来について真剣に話し合う機会を各々楽しんでいるように見受けられました。カタライザーの方々の経験やアドバイスを真剣に聞きながら、きっぱりと自分の将来の目標を語ったり、四苦八苦しながらも自分の将来のキャリアと正面から懸命に向き合ったりと、多彩な将来性を持つ高校生達の可能性を垣間見ることが出来る時間となりました。

(4)大教室での発表
最後に、各教室での発表に対する投票の結果、各教室で見事1位になった「最も働きたい企業・組織」に訪問した高校生達に大教室で発表してもらいました。発表者になった子達みんな、大教室で100人以上の人を前にしているにもかかわらず、臆することなく堂々と発表し、歓声・笑いが何度も起こるプレゼンテーションを披露してくれました。

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今年は、新しい試みとして洗足学園の生徒たちが加わり、聖光学院の生徒の参加人数も増え、参加者数82名の大所帯での開催となり、例年以上の盛り上がりとなりました。慣れない環境や初めて経験するワークショップに四苦八苦していた彼らですが、最後には、楽しく自分の将来像について語ったり笑顔で堂々と発表したりできるような雰囲気で幕を閉じることが出来ました。
また、参加学生達は、高校1年生という進路選択に迫られ始める時期に差し掛かっています。今回のジョブシャドウイングの経験が、キャリアを意識して自分の将来を見通し始める最初のきっかけとなれば幸いです。これからも、未来ある若者達が選択肢や可能性の広さを実感することが出来るプログラムを提供したいと思います。

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最後になりますが、ご参加いただいた生徒の皆さま、保護者の皆さま、受け入れ先としてご協力くださった皆さま、この度は誠にありがとうございました。この場を借りて厚くお礼申し上げます。
NPO法人JUKEでは、高校生、大学1・2年という早い段階からキャリアについて自ら考え、行動するきっかけを提供するため、今後もより多くの高校生・大学生向けにジョブシャドウイングを提供していきたいと考えております。引き続きご理解とご協力のほど、どうぞよろしくお願い致します。

文責:久村 勇介(早稲田大学3年)、西 菜々子(お茶の水大学3年)

EVENT INFO:

イベント名>>
高校生ジョブシャドウイング in 横浜 事前勉強会・事後報告会
開催日時・場所>>
2015年7月18日/9月5日(土)13時~18時
聖光学院高等学校
参加人数>>
高校1年生 計82名
社会人カタライザー 25名

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