高校生ジョブシャドウイング 2022 in 横浜

プログラムの概要と背景

昨年度に引き続き今年度も、2022年7月〜8月の期間で高校生ジョブシャドウイング 2022 IN 横浜を実施しました。2012年から始まり10年目の開催となる本年度も多くの高校生にご参加いただき、聖光学院中学校高等学校の高校1〜2年生49名、洗足学園中学校高等学校の高校1~2年生から希望の生徒49名、合わせて参加者98名、参画企業計22社での実施となりました。

本プログラムでは、将来へのビジョンについて考え始める時期にある高校生たちが、社会人に一日密着をして社会人の「リアル」を体験することで、「自分の価値観、職業観に沿ったキャリア選択の大切さ」を実感していただき、自らが何のために働きたい、どのように働きたい、などと言った自身の勤労観(価値観)について深く考えていただくことを目的として実施致しました。

高校生には、具体的な将来のキャリア選択のビジョンが立っていない人が少なく、それ故「なんとなく」や、「有名だから」など世間一般の指標に影響されて、自らの価値観について向き合うことを疎かにしている人が多いのが現状だと感じます。

そのような中、昨今の教育業界では「非認知能力」という、数値化できない、生きていく上で欠かせない能力の重要性が認識されてきています。

プログラムの内容と効果

今年度も昨年度と同様に、事前勉強会、企業訪問、事後報告会という構成でやっていきました。
事前勉強会では、様々なアクティビティを通じて、自分の価値観について考えていただき、その上で訪問予定の企業に対する質問をまとめていきます。
企業訪問では、実際に社会人の仕事の様子を間近で見るとともに、社会人に自分の正直な質問をぶつけることができます。
事後報告会は、訪問の振り返りや別企業に訪問した人同士での体験の共有などにより、更に自分の価値観について深く考察することを目的としています。

事前勉強会 2022年7月17日(日)

事前勉強会では、まず「価値観カードゲーム」というアクティビティをしてもらいました。「家族」、「地方創生」などといったことが書かれているカードをプレイヤーが取捨選択することで、普段はあまり考える機会が無いであろう、自分は人生の中で何を重要視しているのかということを考察してもらいました。

その後、「枝分かれキャリア選択ゲーム」というアクティビティを行いました。このアクティビティは、先程のアクティビティで大まかに理解してきた自分の価値観について、もっと深掘りして考えてもらうことを目的としていました。
人生のフェーズごとの自分のやりたいことや目標をカードの中から選んでもらい、選んだ理由についても考えてもらうという、比較的シンプルなアクティビティでしたが、人によって選ぶものが様々で、その理由についても意外だったり面白かったりするものばかりでした。

やはり、価値観は十人十色であるなと改めて認識することができました。

その後は、ビジネスモデルキャンバスの作成をしてもらいました。「どのような人がその企業で働いているのか」や「ユーザーがその企業の何に価値を見出しているのか」などを想像してもらい、それらを関連付けて纏めることで訪問先の企業への疑問点を整理しました。

ビジネスモデルキャンバス作成後は、実際の社会人がどのような価値観に基づいて日々を過ごしているのかをカタライザーインタビューを通じて知ってもらいました。
仕事のことだけでなくカタライザーの体験談全般についても話が広がり、カタライザーがどんな人生を歩んでそのキャリアにたどり着いたかまでが分かるような話も出ていました。

最後に、そういった上記のビジネスモデルキャンバス、カタライザーインタビューを通じて出た疑問点を元に、訪問先の企業への質問リストを作成しました。

企業訪問

本年度は計98名の生徒が、22社の参画企業に分かれて訪問しました。
昨年度は新型コロナウイルスによりオンラインとなってしまいましたが、本年度は殆どの企業で対面で訪問を行うことができました。

事後報告会 2022年8月28日(日)

事後報告会では、まず企業の訪問が同じだった学生たちで体験を振り返った後に、自分とは違う企業に訪問した学生とカタライザーで構成される「混成グループ」というものの中で、お互いに自分の体験を共有してもらいました。企業によって仕事内容も仕事のスタイルも異なるので、学生たちは興味津々な様子で他の学生の体験を聞いていました。
また、このジョブシャドウイングは、参加希望者には応募時に訪問希望の企業を第5希望まで書いてもらっているのですが、混成グループでの体験共有時には、自分が希望に入れていた企業の体験を聞けたという人もいました。

混成グループでの体験の共有により学生たちにさらなる刺激を受けてもらった後には、また訪問先が同じだった学生たちで、自分のこだわりや興味について再考察してもらいました。
事前勉強会の時に行った「枝分かれキャリア選択ゲーム」を学生たちに再度やってもらい、企業訪問を経て自分の価値観がどのように変化したのかを考えてもらいました。

そして事後報告会の最後には、今後自分の知りたいこと、体験したいことについて考えてもらい、グループ内で発表してもらいました。
訪問先の企業の業界に興味を持って、もっと知りたいと話している方もいれば、もっとジョブシャドウイングのような体験をしてみたいと話している方もおり、学生たちがこのジョブシャドウイングを通して良い刺激を得ることが出来たと、確かな手ごたえを感じました。

最後に

学生たちはこれから社会の中に身を投じていくことになるのですが、その社会では何が起こるかわかりません。新型コロナウイルスによるパンデミックなどと言った誰も体験したこともないような事態に直面することもあると思います。
そんな中で、自分の価値観を自分の軸として持っていくことは、激動の社会を生きていく上で重要なことだと感じています。
このジョブシャドウイングで感じたことをきっかけにして、学生生活での経験などを通じて、学生たちが自分自身への認識を更に深めていっていただけることを願っています。

EVENT INFO:

イベント名>>
高校生ジョブシャドウイング 事前勉強会・事後報告会
開催日時・場所>>
2022年7月17日(日)/ 8月28日(日)13:00~17:00
聖光学院高等学校
参加人数>>
高校生98名、受け入れ企業22社

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