高校生ジョブシャドウイング 2016 in 横浜

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7月16日〜9月3日の2ヶ月間を通じ、聖光学院高等学校、洗足学園高等学校の生徒113名を対象に、ジョブシャドウイング・プログラム(※)を提供いたしました。

※ジョブシャドウイング・プログラムとは、高校生・大学生が社会人に一日密着し、実際の「仕事」をリアルに体感してもらうキャリア形成支援プログラムです。働くこととはどういうことか?社会人はどのようにして働いているのか?といった「仕事」に対するさまざまな疑問を解決し、高校生・大学生がよりリアルに、将来のキャリアの多様な可能性について認識するきっかけを提供する目的で運営しています。
JUKEのジョブシャドウイング・プログラムでは、生徒の学びを高めるため、仕事見学(職場訪問)だけではなく、事前・事後の勉強会を実施しています。ここでは、7月16日、9月3日に実施された「事前勉強会」「事後報告会」の様子をご紹介します。

 

◆◇事前勉強会◆◇
事前勉強会は、ジョブシャドウイングの訪問する企業や組織についての理解を深め、当日に明らかにしたい「問い」を持ってもらうことを目的としています。

参加した生徒は、訪問先ごとのチームに分かれ、“お仕事マップ”というワークシートを用いて、訪問先の企業・組織のビジョン、提供している商品やサービス、顧客、商品やサービスが顧客に届くまでの工程、協力者などについて整理し、訪問先が行っている事業の理解を深めていきました。
ワークでは、JUKEの社会人サポーターや訪問先の職員の方から、生徒が考える仮説に対して問いかけを投げかけていただき、参加した生徒一人ひとりが、訪問先で聞きたいことは何か?自分が理解していないことは何か?を明らかにしていきました。

(1) 開会
今回は、訪問先を3つのテーマに分け、テーマごとの教室に分かれ、ジョブシャドウイングの説明、事前勉強会自体のプログラム内容を確認しました。オリエンテーションでは、自分を野菜にたとえて自己紹介を実施してもらいました。時折冗談に笑いながらも、慣れない環境にどこか緊張している生徒達の様子が印象的でした。
※カタライザー:事前勉強会・事後報告会において、参加者の学びをサポートする社会人ボランティア。
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(2) グループワーク―企業・組織分析(お仕事マップの作成)
グループワークでは、訪問先の、ビジョン、提供している商品やサービス、顧客、商品やサービスが顧客に届くまでの工程、協力者を生徒とカタライザーが協力し合って、一枚の大きなお仕事マップにまとめていきました。
最初は、カタライザーにリードされていた生徒達も、途中からは自分達で想像力を働かせ、議論を進めるようになり、「この顧客がいるならこんな仕事もしているはず」などと各項目のつながりに注目しながら、活発な議論を展開していました。
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(3) 質問リスト作成・まとめ
グループワークの締めくくりとして、そこまでの議論で出た様々な疑問を、生徒一人ひとりが「質問シート」に書き出していきました。お仕事マップを作成する上で疑問に思ったことを、生徒の素直な言葉で表現していました。

参加した生徒達の意欲的な姿に驚くと同時に、職場訪問を通じて、生徒ひとりひとりがどのような変化を遂げるのか楽しみになる事前勉強会でした。

 

◆◇職場訪問◆◇
参加者の生徒達は、複数のチームに分かれて実際の職場を訪問し、社会人の方に一日同行しながら、どのような仕事をされているかを体感します。今年は、113名(聖光学院74名、洗足学園39名)の生徒が、合計25社の企業・組織に訪問させていただきました。
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◆◇事後報告会◆◇
事後報告会では、「訪問で見聞きして得た知識を整理すること」「訪問先のことを共有しあうことでより多くの知識を得ること」「キャリアに対する価値観を洗い出すこと」の3つを目的に、訪問先ごとにチームになり、自分が採用・人事担当になったつもりで、訪問先をアピールするプレゼンテーションを行いました。また、その後には生徒一人ひとりのキャリア観を整理するワークショップを行いました。

(1)発表準備
事後報告会は、実際に訪問で見聞きして得た知識を整理し、発表の準備をしてもらうところから始まります。
①目指す世界、②提供している商品・サービス、③社会における役割(自分達でやる仕事)、④こんな企業・組織と協力!(自分はやらない仕事)、⑤会社の中にある職種、仕事の内容、⑥職場の雰囲気、社員の働き方の6つを発表用に模造紙にまとめ、発表資料を作成しました。

事前勉強会ではまだ手探り状態だった高校生達ですが、事前勉強会や訪問を通して、生徒同士もすっかり仲良くなっている様子でした。また、40分間という与えられた短い時間の中で、スピーディーに発表内容をまとめていく姿や、同じフォーマットを基にしているなかでも、チームごとに発表資料を工夫するなど、高校生達の順応性の高さや想像力の豊かさに驚かされました。
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(3)発表
発表では、様々な訪問先の発表を聞くことができるよう、自分が発表する時間以外は、教室を移動し、自由に発表を聞く訪問先を選ぶという新しい方法を試みました。そして、プレゼンテーションを聴いたうえで、6つの項目で自分たちの訪問先や他の訪問先を評価し、生徒一人ひとりが、自分は様々な企業・組織のどのようなところを良いと思ったのかを分析していきました。発表では、カタライザーの方々からの様々な質問に一生懸命答えながら、自分が見てきたものに対する率直な思いを堂々と語っている姿が印象的でした。
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(4)振り返りワークショップ
最後に、自分のグループの発表と、他の二つのグループの発表をふまえ、“働く”ってなんのため?“働く”ってどういうこと?について、カタライザーと生徒4名で一組に分かれ、ディスカッションを進めていきました。
自分が訪問した企業・組織についてグループ内で共有した後、他の生徒の発表を見て、いいなと思った企業・組織について ① “働いてみたい”と思った企業・組織の名前、業種、協力する会社・団体と会社自体の役割を説明する、② どこが魅力的だったのかを、【採点結果ベース】で説明するという2つのステップで、一人ひとりの考えを共有していきました。

最後に、お仕事評価シートの6つの観点が、それぞれどうして大切なのかを社会人のカタライザーと共に考え、訪問した上で思う働くことに対するイメージや、将来働く上で大切にしたいことをまとめました。
訪問を通して思ったことはもちろん、訪問する前から思っていたこと、事後報告会での発表を聞いて感じたことなど、自分が持つキャリアに対する価値観の全てを洗い出した上で、自分自身のキャリアを考える際に大切にしたいことは何かについて考えてもらいました。
ここでも、普段はあまりない同世代の生徒と将来について真剣に話し合う機会を、各々楽しんでいるように見受けられました。カタライザーの方々の経験やアドバイスを真剣に聞きながら、きっぱりと自分の将来の目標を語ったり、四苦八苦しながらも自分の将来のキャリアと正面から懸命に向き合ったりと、高校生達の可能性を垣間見ることが出来る時間となりました。
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今年の高校生ジョブシャドウイングは、聖光学院、洗足学園両校からの生徒の参加人数が増え、計113名という過去最大規模での開催となり、例年以上の盛り上がりを見せました。参加した生徒も、初めは慣れない環境や初めて体験するワークショップに四苦八苦していたようですが、最後は、チームで協力し合いながら堂々と自分の意見を述べたり、お互いに自分の将来像を語り合うことが出来るような雰囲気で幕を閉じることが出来ました。
今回、ジョブシャドウイングに参加した生徒達は、高校1・2年生の大切な進路選択の時期に差し掛かっています。今回のジョブシャドウイングの経験が、将来のキャリアを意識し始める最初のきっかけとなれば幸いです。

最後になりますが、ご参加いただいた生徒の皆さま、保護者の皆さま、受け入れ先としてご協力くださった皆さま、この度は誠にありがとうございました。この場を借りて厚くお礼申し上げます。

NPO法人JUKEでは、高校生、大学1・2年という早い段階からキャリアについて自ら考え、行動するきっかけを提供するため、今後もより多くの高校生・大学生向けにジョブシャドウイングを提供していきたいと考えております。引き続きご理解とご協力のほど、どうぞよろしくお願い致します。

文責:桑原千穂 (成蹊大学経済学部 3年)

EVENT INFO:

イベント名>>
第5回 高校生ジョブシャドウイング 事前勉強会・事後報告会
開催日時・場所>>
2016年7月9日(土)/ 9月3日(土)13:00~17:00
聖光学院高等学校
参加人数>>
高校生(聖光学院) 74名 / 高校生(洗足学園) 39名
カタライザー 27名、社会人スタッフ 11名、学生スタッフ 7名

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