MY GLOBAL × WORK 2014

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社会のグローバル化に伴い、”グローバルに働きたい”と考える学生は少なくありませんが、具体的なグローバルな働き方のイメージが掴めていない学生は少なくないのではないでしょうか。
私たちはその原因を、グローバルキャリアについての認識不足、そして自己についての理解不足と考えました。グローバルな働き方をされている人はどんな仕事をしているのか曖昧なイメージしかないため、自分がどのようなグローバルキャリアを歩みたいのかもイメージが掴めません。また、グローバル以前に自分がどんなことに興味があるのかという価値観が明確でないことも、原因のひとつと考えられます。

そこで本イベントでは、実際にグローバルに働かれている方からお話を聞き、グローバルキャリアについての認識を深めると同時に、同じような問題意識を持つ学生とのディスカッションを通して、参加者1人1人がグローバルキャリアのどんな「魅力」に惹かれているかを明らかにすることで、自らの価値観を明らかにし、具体的にどう働きたいかという目標を立て、目標に近づくためのネクストアクションを決定してもらいました。

【ゲストご紹介】
◇◇湯川 和典(ゆかわかずのり)氏◇◇
(ジョンソン・エンド・ジョンソン株式会社勤務)
2004年中央大学商学部卒業後、ジョンソン・エンド・ジョンソンに入社。
2005年から大阪と東京で営業職マーケティング部にて、外科用器具を医療従事者へ販売。
2012年アメリカ本社トレーニング部勤務。
2013年からは、東京本社にて医療機器部門、特に外科用手術器具を取り扱う事業部内の人材育成業務全般を担当。

◇◇定平 一郎(さだひらいちろう)氏◇◇
(ハッチ株式会社勤務)
2006年一ツ橋大学商学部卒業後、三井住友銀行にて、中小企業向け法人営業を務める。
2009年三井住友銀行より出向を命じられ、国際協力銀行にて海外企業向け融資を行う。
2011年GREE勤務。米国企業の買収、GREEアメリカオフィスの立ち上げに携わる。
2013年三井物産にて海外企業への投資・セールスを行う。
2014年ハッチ株式会社を共同で起業し、COO兼CFOとして財務・経理・法務・人事・総務等のコーポレート系業務を主に担う。

◇◇王 紗紗(おうささ)氏◇◇
(豊田通商株式会社勤務)
2006年岡山大学法学部卒業後、現職に就く(在学中に交換留学生として、米国カリフォルニア州立大学で学ぶ)。
2006年、営業職として工作機械を販売。
2007年、中国市場の拡大をきっかけに、名古屋の経営企画部にて中国調査を担当。
中国市場がさらに拡大したため、2008年から約3年間、東京にて、中国市場調査、中国政府窓口を担当。
その後、日中関係の悪化に伴い、アフリカ政府向けの広告を担当。
現在は、経済産業省、アフリカ、中南米地域を担当。

【コンテンツ】
1.ワークショップ① ―認識する―
2.パネルディスカッション ―発見する―
3.ワークショップ② ―デザインする―
4.交流会

【各コンテンツ紹介】
◇ワークショップ① ―認識する―◇
1グループ3-4名のグループごと、参加者1人1人にとって「グローバルに働くことの魅力」をブレストして共有してもらい、グローバルキャリアに興味を持っている参加者自身がグローバルに働くことの何に魅力を感じているのか“認識”してもらうためです。
参加者が書き出した中には、「自由そう」、「多国籍の友だちがたくさんできそう」、「海外にたくさん行けそう」など、海外に働く魅力には良いイメージが数多く見受けられました。

◇パネルディスカッション ―発見する―◇
パネルディスカッションでは、以下の3つの点を中心にお話していただきました。
・現在と今までのお仕事内容
・グローバルに働く魅力やどんな思いを持って仕事をしているか
・学生へのメッセージ

このパネルディスカッションでの目的は、参加者が実際にグローバルに活躍されている方々が具体的にどのような仕事をしているのか、どのような思いで仕事されているのかを知ることでグローバルに働くことへのイメージを掴んでもらい、グローバルに働く新たな魅力を“発見”してもらうことです。

ゲストの方々のお話をほんの一部だけ紹介させていただきます。

定平さんにとってグローバルに働くとは、日本で働くか海外で働くか、という場所の問題だけであると仰っていました。定平さんご自身がグローバルなキャリアを積んだのも、自らの目標達成や成長のために最適なキャリアを考えたときに、それがたまたま海外だっただけだそうです。能力面でも、仕事の内容や求められる本質的なものは日本でも海外でも大きくは変わらず、日本で活躍できる力のある人は海外でも活躍できるということです。私自身グローバルに働くことと日本で働くことの違いにばかり目を向けていましたが、語学や異文化理解といったグローバル特有な力だけでなく、まず日本でも活躍できるような基本的な力がなければグローバルにも通用しないのではないかと感じました。

湯川さんから参加者へのメッセージとして、言語力・適応力・想像力の3つをあげていただきました。ここでの言語力は英語を話すという語学力とは違い、自らの考えや思いを正確に相手に伝える力のことで、語学力よりも価値観の異なる相手にも考えを正確に伝えることのできる言語力が必要ということです。適応力とは、どのような環境においても相手の持つ価値観・文化を受け入れ適応することを指します。私たちがアメリカに行けばアメリカのやり方の中で成果を出さなければならないため、異なる文化や価値観に適応する力が求められるそうです。想像力は最も重要で、一つだけではなく複数の情報や論理軸を元に理解し、アウトプットに繋げるです。例えば、バイアスの掛かった1社の新聞社の記事だけを読んで鵜呑みにして誰かに伝えるのではなく、数社の記事を読んで自分の中でブレンドした上で、自分なりの意見を考えるということです。私たちは学生生活の中で、様々な情報や価値観に出会います。そのような中で、一つだけを鵜呑みにはせず、複数の情報や価値観を元に想像したり、異なる価値観を受け入れ適応したり、自分なりの考えを相手に正確に伝えたりといった訓練を意識的にしていくことが重要だと感じました。

王さんの現在の主なお仕事は、商社と海外の政府との交渉や対応の仕方を綿密に設計することであり、仕事を通して多様な国籍の方々と接する機会が多いそうです。よって、毎日がグローバルであり、様々な価値観と出会えることがとても楽しく、刺激的だと仰っていました。また、相手の持つ文化や価値観によって自分の対応を変えるように意識されるそうです。例えば、アメリカ人といるときは自分の考えをはっきり伝えるようにし、日本人同士では相手の発言を受け入れつつもと相手の気分を損なわないように自分の意見を述べるようにしているそうです。「グローバルに働く=海外で働く」ということをイメージしがちですが、日本国内においてもさまざまな国籍や価値観を持つ方々と交流を持てるような働き方もグローバルな働き方の一つであると思いました。

◇ワークショップ② ―デザインする―◇
パネルディカッションで新たに発見したグローバルに働く魅力を整理し、自分はグローバルに働くことの何に魅力を感じるのか考え、その魅力を得る働き方を実現するためのアクションプランを“デザイン”してもらいました。
新たに発見した魅力の整理では、『具体的な事例を知ることができて、日本では阿吽の呼吸というものがあるように問題なく解決してしまうことも、海外ではそうではない。常に自分の考えを主張したり、ディスカッションをする必要がある』、『グローバルは楽しそう面白そうというイメージが強かったが、辛く大変な経験から自分を高められる環境である』、『自分の価値観が広がる』などがあげられました。

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次に、各々が気づきから魅力を選び出してもらい、ペアで質問し合ってその理由を掘り下げていきました。この目的は、なぜその魅力を選び出したのか掘り下げることで、納得感のいく答えを出すためです。また、選び出した魅力を掘り下げることで、その魅力の裏に隠れる本当の魅力や目指したい姿が出てくる場合があると考えたからです。
そして、その魅力を実現するためには、どのようなアクションを起こしたらよいのか、ペアで考えてもらいました。この目的は、イベントを通して学んだこと・得たことを実現するためです。『自分の価値観を作る』という魅力を選んだ参加者は、それを実現するために、『世代を超えた交流をする』『自分とは全く違う考えの人と話してみる』『たくさんの人と出会う』などがあげられました。
どのペアも各自が選んだ魅力や、それに向けてどのような行動をしたらよいかなど熱くディスカッションをしており、時間が足りないようでした。
最後に、魅力とその魅力を実現するためのアクションをグループ内で宣言し、参加者1人1人がゲストの方や他の参加者からコメントをいただきました。

◇交流会◇
ワークショップ終了後は、最後にお菓子や飲み物を用意して交流会を行いました。パネルディスカッションで疑問に思ったこと、ワークショップで話しきれなかった部分を聞くなど、ゲストの方々や参加者、スタッフを交えての交流会を行いました。ゲストだけではなく、参加者同士の交流も深まったようでした。

今回のイベントを通して、グローバルに働く事例、参加者1人1人がなぜグローバルキャリアに惹かれているのか、自分はどういったことに魅力を感じているのか、気づきが得られたようでした。また、イベント終盤の行動宣言は、参加者の皆さまにとって、イベントの気づきを明日に繋げられるよい機会となったはずです。

今後も、NPO法人JUKEは様々なキャリアイベントを行っていきますので、よろしくお願いします。

文責:藤沼春菜(東洋大学3年)

EVENT INFO:

イベント名>>
MY GLOBAL × WORK 2014 〜あなたにとってグローバルに働くとは?〜
開催日時・場所>>
2014年6月29日(日)14時~18時
渋谷DHCコミュニケーションスペース
参加人数>>
大学生 12名
ゲスト 3名

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